ちがさねKenshi倉庫

PCゲーム、Kenshiに関するブログです。モッダーなので解析的なデータを多く扱います。

MODの読み込み順の重要性

※この記事は、私がyoutubeニコニコ動画で公開した「MODの読み込み順の重要性:中編:後編」の動画の内容を記事形式にしたものとなっております。
※台本をそのままコピペして掲載している都合上、表現におかしな場所があるかもしれません。

 

ごきげんよう、ちがさねルアナと申します。この記事は先日公開したこちらの動画の続編となっております。

(内容は各話で独立しているので、前編を見なければこの記事が理解できないという事はありません。)

前編の動画では以下の内容について説明を行いました
1、読み込み順の仕組み(基礎知識)
2、読み込み順のルール
3、読み込み順が保存されているファイル
4、読み込み順を管理するツール

前編では今後の動画の内容も公開していたのですが、内容がかなり増えてしまったためそのお品書きは訂正し、シリーズも2部構成ではなく3部構成にボリュームアップすることにしました。
こちらが新しい中編と後編のお品書きです。

 


 

前編ではMODの読み込み順の重要性と、その管理方法について解説しました。
この記事は前回の動画の続きですが、読み込み順の話は前回で解説し終わったので今回は少し話題を変え、タイトルにある通り、MODのローカル化(バックアップ)について解説します。

5、導入したMODのダウンロード場所

Steam WorkshopでMODをサブスクライブすると、MODを構成するファイルがあなたのPCにダウンロードされます。(ブラウザ版などでMODをサブスクライブした際は、次回アプリケーション版のSteamにログインした際にダウンロードが行われます。)

ダウンロードされたMODは、基本的に以下の場所に保存されます。
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\workshop\content\233860
(この場所にフォルダがない場合は、SteamのライブラリのKenshiのページから、歯車の設定ボタン→管理→ローカルファイルの閲覧を選択してください。エクスプローラーが開いてsteamapps\common\Kenshiのフォルダが開いた状態になるので、そこからアドレスを2つ上のsteamappsのフォルダまでさかのぼり、workshop\content\233860のフォルダを開いてください)

アドレス末尾の233860とはSteam上のKenshiのIDですね。

このフォルダの中身は以下のようになっていると思います。

ここに並んでいるフォルダの一つ一つがワークショップからダウンロードしたMODとなっています。私は今69個のMODをサブスクライブしているので、ここのフォルダもスクロールして数えれば69個あるはずです。
フォルダ名が数字で表記されていますが、これはMODのIDです。試しに一番上の「705119823」のフォルダを開くと、このようになっていました

「256 Squad Limit」と書かれているので、これを読んで何のMODかピンときた方も多いのではないでしょうか。

そう、雇える仲間の数を256人まで増やすMODです。
2016年からあるMODなので、IDが若いのも納得です。

MODの共有ボタンを押してリンクを出すと、その末尾の文字は先ほどのフォルダ名と同じ「705119823」となっていました。もしMODの構成ファイルから何のMODなのか分からなかった場合は「https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=」の末尾にMODフォルダのIDを付けたすことで、ブラウザ版Steam Workshopの当該MODのページへ飛ぶことが出来ます。

なお、MODにアップデートが入ると次にSteamにログインしたとき新しいMODのファイルがダウンロードされ、内容が自動で更新されます。
この仕様を上手く使い、MODフォルダを更新日時順に並べ替えることでサブスクライブ中のMODにアップデートが入っていないかどうかを簡単にチェックすることが出来ます。
ただし自動更新の弊害として、作者がアップデートの代わりにそのMOD消してしまうと、ユーザー側のMODファイルも自動で削除されてしまいます。これを回避するため、重要なMODはあらかじめローカライズし、バックアップをとることが大切です。

6、MODのローカル化、通常のサブスクライブとの違い

先ほどはサブスクライブしたMODのダウンロード先となるフォルダを説明しました。この場所に保存されたMODフォルダはゲームの読み込みの対象となります。しかし実はここ以外にも、保存したMODのフォルダが読み込まれるようになるフォルダがあります。

それが以下の場所にあるフォルダです。
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Kenshi\mods
(この場所にフォルダがない場合は、SteamのライブラリのKenshiのページから、歯車の設定ボタン→管理→ローカルファイルの閲覧を選択してください。エクスプローラーが開いてsteamapps\common\Kenshiのフォルダが開いた状態になるので、modsのフォルダを開いてください。)

このフォルダ内のMODにはSteam Workshopの自動更新がかからないので、MODが削除されたりアップデートで欲しい機能が消えてしまう事はありませんし、Kenshiを立ち上げるとこのフォルダ内のMODも読み込みの対象となり、他のMODと同様自由にオンオフと並び順を切り替えて使用できます。

ただし注意点として、このフォルダにサブスクライブしたMODをそのまま持ってきただけではMODは読み込まれません。MODのフォルダ名をIDの数字から、そのMODのシステム上の名前に変更しなくてはいけません。どこかから持ってきたMODのフォルダをリネームして、読み込み可能な状態に持っていくまでをローカル化と呼びます。
例として、私のMODである「3派閥に中立な12勢力の連合MOD」をローカル化してみましょう。

まずはサブスクライブMODのダウンロード先から連合MODのフォルダーを持ってきました。このMODのシステム上の名称が知りたいので、次はこのフォルダを開きます。

するとMODの構成ファイルが色々と出てきます。どのような種類のファイルでMODが構成されているのかはそのMODによって変わってきますが、どのMODにも共通して必ず拡張子が.modのファイルが存在します。このファイルのドットより前の部分がMODのシステム上の名称です。今回で言うと、「CL Traders Alliance.mod」の「CL Traders Alliance」がシステム上の名称となります。

この部分をコピーしたら、後は一つ上のフォルダに戻り、ペーストでMODのフォルダー名を変更しましょう。

これでローカル化は完了し、このMODがゲームで読み込まれるようになります。

なお、画面に出ているtxt形式の説明書はMOD制作に関するものなので、興味の無い方は読まなくてOKです。

余談ですが、FCSでMODを弄るにはそのMODのローカル化が必須です。また、Steamを通さないでKenshiをexeファイルから直接開くとローカル化したMODしか読み込まれません。まあKenshiをローカルで開くメリットはほぼないんですけどね......

ちなみにですが、私はサブスクライブしたMODをまとめて定期的にいらないHDDの中にコピーしています。その中のMODがWorkshopから消えたりしたときだけHDDからデータを取り出してローカル化すれば、MODが消える前から面倒なリネームまでしておく必要はなくなります。

また、匿名掲示板の5チャンネルにて有志の方が、サブスクライブ中のあらゆるMODのジャンクションをローカル化されたMOD用フォルダの中に作成し、自動でリネームすることで疑似的なローカル化を行うバッチファイルのテキストを配布しています。

KenshiのMOD製作・FCSツール活用スレ part7

ジャンクションとは特殊なショートカットのようなものです。フォルダの本体が自動更新の対象となってしまうためバックアップには使えませんが、実際にローカル化を行うよりもより少ない容量でMODをFCSで覗けるようになります。
ローカル化されたMOD用フォルダが大量のジャンクションで埋まってしまうため、MOD制作者には正直あまり向きませんが、FCSをMODの内容の確認だけに使っている人にはとても便利だと思います。

7、不審なMODについて

MODのローカル化についての説明も終わったので、今度はSteam Workshopに転がっている怪しいMODの話をします。

ネクサス系のMODにはフォルダの中にexeファイルが入っていて、ダウンロード後にそれを起動させるタイプのMODがあります。これは特に怪しいので、事前に情報収集をしてから導入するかどうか決めてください。真っ当な MODでそこまで手が混んでいるものなら、必ずネットに情報が転がっています。(もちろんStream WorkshopのMODなら無条件で安全という訳でもないです。)

MODにセキュリティ的な問題がなかったとしても他作者のMOD、他のゲームからデータが盗用されている場合もあります。他作者のMODからデータを盗んで作られたMODは、私たちがそれを使うことで本家MODの制作者さんのモチベーション低下につながります。盗作者がこまめにMODを更新したり干渉対策をしたりと、まともにユーザーサポートをしたりする訳がないのでわざわざ使うメリットも小さいと思います。

また、今回の記事ではMODのバックアップの取り方についても解説しましたが、本家MODが削除されたときにバックアップを公開するのは絶対にやめてください。削除された・削除したのには必ず理由があるので、親切心でやった結果本家作者さんの活動を妨害する結果になりかねません。(悪意でやってるならもっとやめましょう。もし本家MODが権利的な問題で削除されていた場合、あなたは二重に責任を負うことになります。)

8、変なMODの紹介(宣伝)

不審なMODを避けろとお話しした後ではありますが、ここで私の愛用している不審なMODを紹介いたします。

www.nexusmods.com

たびたび私の動画と記事で紹介しているRe_Kenshiですが、まだしっかりと機能の紹介をしたことが無かったのでここで紹介して布教したいと思います。

このMODのメインの機能はゲーム内速度を自由に変更可能にして、通常の等倍、2倍、5倍速度より速く10倍、100倍などへ自由に変更可能になるという物です。放置でのステータス上げが簡単になり、経験値上昇MODに抵抗がある人でも導入しやすいMODだと思います。

また、この機能以外にもこのMODには画期的な機能が付いています。

Kenshi の乱数ジェネレーターのバグを修正
何度リスタートしても必ずハブにモリー、エサルというNPCが湧いてしまうようなバグが無くなり、本来の仕様通りランダムにキャラが出現するようになります。

ゲーム内でアタックスロットが変更可能になる
バニラのKenshiでは一人のキャラが大勢の敵に囲まれているときでも、敵一人の攻撃モーションが発生している間は他の敵の攻撃モーションが発生しないという仕様によって攻撃を凌ぐのが簡単になり、数の差が当てにならないという現象が起こります。
アタックスロットが増加すると複数の敵が一人の相手に同時攻撃を仕掛けるようになるので凌ぎ切るのが難しくなり、結果数の多い部隊がより強くなり、一般にゲームの難易度が上がります。

Steam Workshop::Attack Slots x2

アタックスロットの変更は従来このようなMODを入れていちいち変更する必要があったのですが、Re_kenshiではゲーム内で自由に変更することが可能になり、他の人がMODを作っていないような数値にも変更することが可能になります。

カメラの最大高さが2倍になる
言い換えると、通常の2倍の高さからフィールドを広く見渡せるようになるという事です。大拠点が一つの画面に収まるようになって管理が楽になったり、より広い範囲をスクリーンショット出来るようになるという利点があります。

ハイトマップの圧縮とプリコンパイルされたシェーダーのキャッシュ
ハイトマップとは3Dオブジェクトのテクスチャーに関連するファイルです。これが圧縮されることによってゲームの処理が軽くなります。また、プリコンパイルされたシェーダーのキャッシュによって3Dオブジェクトの陰影処理が一時的に保存されるようになり、ゲームのメニュー画面でなぜか処理が爆増する現象が無くなり、全体的な処理も軽くなります。
なお、この二つの機能でゲームがどの程度軽くなるのかはこの記事の一つ下の章で検証をしています。

また、これらの機能はゲーム内でオンオフを切り替えて、気に入った機能だけを取り入れることも可能です。

おまけ、パフォーマンス系MODの効果を比較検証

最後におまけのコーナーとして、ゲームのパフォーマンスを向上させる効果のあるMODが、実際どの程度ゲームの処理を軽くしているのかを比較検証してみます。

文章の都合上、検証内容は別記事に掲載したのでこちらをご覧ください。

chigasane.hatenablog.com

 

 

サムネ置き場